鉄道模型レベルアップ技法

路面電車の鉄道模型のリアリティを高めるウェザリングとは

路面電車

鉄道模型と実際の路面電車との大きな違いは、劣化の具合です。町中を走っている路面電車は新車であることは珍しく、何年も雨風に晒されたものが多いでしょう。しかし鉄道模型は、特にプラスチック部分に独特の光沢があるため、おもちゃっぽさが出てしまいます。
そこでリアリティを持たせるために施すと良いのが、ウェザリング加工です。実際の車両にありそうな汚れや傷を付ける手法で、やるのとやらないのとではリアリティに大きな差が出ます。

そんなウェザリング加工で比較的簡単なのは、墨入れという方法です。路面電車には外装を始めとして平らな部品が多く使われていますが、その表面ではなく端や、他の部品と合わさっている部分が劣化しやすいです。水は窪んだ所に集まる性質があり、そこを中心に錆びが発生するからです。その錆びを黒や茶色などの暗い塗料で再現するのが墨入れで、専用の塗料が市販されています。
基本的には塗料を細い溝に流し込み、はみ出た部分を綿棒などで拭き取る作業です。作業自体の難易度は高くないため、ウェザリング初心者でも問題なく行えるでしょう。 その墨入れはきれいに拭き取って影を付ける意味合いもありますが、ウェザリングの場合はある程度乱雑さがあった方がリアリティが出ます。

そして墨入れと一緒に施した方が良いのはメイクアップ材による汚し加工で、化粧をする感覚で汚れを付けていきます。大抵は墨入れをした周辺に汚れが広がるようにしていく形ですが、実際の車両を参考にするのも大切です。
この墨入れと汚し加工を施すだけでも、鉄道模型としてのリアリティは十分高いものとなるでしょう。 また上級者となると、全体を塗装して日光の紫外線による黄ばみを再現したり、塗り直しをした塗装がさらに剥がれたような加工をする人もいます。